カタツムリ囲いによる地下鉄飛車での攻めが強力である。

という記事をカタツムリ囲いを指した時の有力な攻め筋として紹介し、前回、相手が高美濃囲いの場合の端攻めの手順について(私が)勉強しました。

その前回の記事がこちらです。
カタツムリ地下鉄による端攻め手順【カタツムリ囲い研究part3】 : C級将棋研究ノート (livedoor.jp)

読んでいない人はそのままで構いません。

というわけで、今回は カタツムリ地下鉄 VS 穴熊 について見ていこうと思います。

前回の意思を引き継ぎ、相手は四間飛車穴熊、攻め筋を確認するためにこちらが先攻できるように調整しようと思います。
調整すると言っても、四間飛車側が手待ちをする、ということではなく、無駄手は指さないようにします。


というわけで出来上がったのが端攻めの手順を勉強するための局面。
2021-08-23 (3)

こちらを課題局面とします。
振り飛車側は端歩に2手かけていますね。これが大きな調整です。
設定としては、
カタツムリ囲いの攻略が分からないけど、相手からの圧力がないから薄い2筋3筋から攻めようかな、としたとろで▲9九飛とされた
しかし、こちら(振り飛車側)からも△3五歩と仕掛けた


という局面です。
なるべく贔屓して局面を作ったのですが、カタツムリ地下鉄を実現するまでに必要な手数が多すぎて、カタツムリ側から仕掛けることは叶いませんでした。

贔屓した局面で確認した後は、しっかり現実と向き合おうと思います。

この局面では、相手からの仕掛けである△3五歩が入ってますので、▲同歩と対応。
これには△3二飛と回って攻めます。

ここで一手空くのでこちらから攻めに手をかけられます。


まず、仕掛ける1手は▲8五桂です。

ここで相手からは桂馬を無視して△3五飛と攻め合う手がありますが、これには▲4五桂と桂馬を最後の一働きさせます。
これに△同銀と取った局面で相手の穴熊に手を付けていきます。

▲9四歩 △同歩 ▲9三歩打ち これが当然ですが強烈な一撃になります。

2021-08-23 (5)
この時点でソフト評価は互角、桂損をしつつも取り返した形勢となります。

この歩の取り方は3通りありますが、有力なのは△9三同香△9三同桂です。

△9三同香には▲同桂もしくはと取る前に▲9二歩打とするのが手筋です。
△同玉としたとき、相手から△9二香打ちという受けが消えます。

▲9三桂成のときに△同銀なら、
単に▲9四香から銀香交換、追い返されるようですが、一度引いてから▲9八香打ちとすると相手の持ち駒は桂馬に香車ですので受けが難しいです。
手筋が効いてますね。

▲9三桂成に△同桂なら、
▲9四香が刺さり、△8五桂には詰みがありますので数を足して受けるしかありません、よって勝ちになる局面に見えますが、
今回の場合相手は桂馬を手持ちにしているため、△8一桂打ちとして受けが成立してしまいます。
千日手模様になりますが、互角です。


次に▲9三歩に△同桂の場合、
▲9四香でかなり良いと思えますが、相手が桂馬を持っているために△8一桂打ちの受けが利いてしまうため、こちらも千日手模様になります。


結論としては、相手からの先攻が響いてこちらが攻めきれない、ですね。


こちらはカタツムリの金銀四枚が残っていますし、相手にとって致命傷になる攻めを繰り出し続けられますし、
感覚的にカタツムリを推してしまいそうです。


他にもいくつか局面を作ってみたのですが、

2021-08-24 (3)
駒の損得なし、相手の飛車が成り込む
ギリギリ互角


2021-08-24 (2)
桂馬を交換、相手の飛車が成り込む
若干不利


という感じでした。
ソフト評価が悪いということは、
高段のレベルになればやっていけそうにはないですね。

しかし、穴熊の端を攻めてこちらが相手の玉を直接攻めることができるので人間的にはかなり難しい上に、寄せが得意な人だったら先手が有利という結論にもなってしまうのではないでしょうか。


今回はカタツムリ地下鉄の攻め筋を勉強していく、ということで
カタツムリ地下鉄 vs 穴熊 の局面について見てきました。
次はVS銀冠ですかね。

今回は以上です。

次回↓
カタツムリ地下鉄による端攻めの手順その3【カタツムリ囲い研究part5】

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