カタツムリ囲いでの攻め筋の一つに、地下鉄飛車があります。

これは、カタツムリ囲いのデメリットである金銀四枚を囲いに使ってしまっていて、角も攻めに使いにくいという点を解消しつつ、仮想敵である振り飛車の美濃囲いや穴熊囲いに強力な攻撃を加えることが出来るという、

ある種、カタツムリ囲いのためにあるような指し方です。

今回の記事は、

鉄壁から繰り出される二つの攻め筋【カタツムリ囲い研究part2】 : 黒船の将棋研究ノート (livedoor.jp)

こちらの記事の続きとなります。
内容的に一段落しているので、読まなくてもOKです。


前回の内容で、このような陣形で地下鉄飛車の攻めが可能だ!!
という内容でした。

地下鉄カタツムリ

今回は、この陣形からどのように端を攻めて勝ちをもぎ取るのかについて解説していきます。

私が地下鉄飛車についてしっかり学んだことが無くて、この記事を作るのを通して正しい筋の攻めを覚えたいという気持ちも強いです。


今回の記事の流れはこうです。
1,仮想敵、攻める囲いを決定
2,囲い別
(今回は1つ)に攻め方をチェックしていく

このような感じでやっていきますので、よろしくお願いします。


1、仮想敵を決定

まず、地下鉄飛車にして攻める相手を決定します。

カタツムリ囲いに組む手数と地下鉄飛車で攻める態勢を作るまでにかかる手数は最短で22手です。

船囲い+右四間飛車の態勢でも12手と少しですので、カタツムリ地下鉄は展開がかなり遅いです。
よって、振り飛車を相手にしたとき、相手に先行されてしまうか、囲いを固められてしまいます。

例えば、これは四間飛車VSカタツムリの途中図です。

2021-08-14 (2)

相手方は、端歩に2手かけているにも関わらず、△7五歩、△5五歩の開戦に、銀観に組むことも容易でしょう。

少なくとも高美濃囲いには組まれてしまうことを想定して、部分的な課題局面は、カタツムリVS高美濃囲いとしましょう。

次回、次々回で銀冠や穴熊について触れていきたいと思います。


2,高美濃囲いへの攻め方

2021-08-14 (4)
この局面から、端攻めの手順を勉強していきます。

開戦は、当然▲9五歩、相手の応手は△同歩ですね。
ここでは単に▲同香とします、奇抜な手は指しません。

△同香には▲同飛車でも▲同角でもOKです。

▲同角では田楽刺しがあるように思えますが、歩の犠打で香車を9四まで釣り上げてから▲7三角成で角桂香の二枚替え。

2021-08-17 (3)
↑局面の一例

角桂香の交換は微妙に思えるかもしれませんが、相手からは角を打つ隙が自陣にありませんし、
桂香を持つと飛車香車香車の3段ロケットや、▲7五歩から▲8六桂打などの攻めも考えられます。

端攻めにおいて桂香は正義ですね。


また、△9五香▲同飛車の変化では、相手から単に△9三歩や△9四歩で飛車を追い返します。
これには単に▲9九飛と引いて相手の手番

こちらからの攻め筋としては、
相手の受けが△9三歩なら、
▲7五歩から△同歩▲同角で手順に角を端に利かしながら攻める手、▲6五歩として△同歩には▲6四香打とする手があり、

相手の受けが△9四歩であれば、
▲9三歩打と歩の裏に歩を打ち込み△同玉には▲9八香が強烈になります。


攻め始めてしまえば相手にとって受けにくい攻めができるということで、かなり有力な気がします。

しかし、問題点が一つ、
それは、こちらが端を攻める前に先攻されてしまうという問題です。


2021-08-18 (2)

例えば、こちらが▲9九飛とした瞬間に、
相手から△2五歩 ▲同歩 △同桂 ▲同桂 △同飛 とした局面です。

この時点で後手有利、こちらから攻めて挽回できるかどうか、という状況になています。

問題なのは、これでも相手が端歩に2手かけているという点ですね。
これより早く先行されると端攻めすら叶わなくなってしまう可能性が高いです。


また、↑の局面から攻め始めますが、相手が自然な対応をして進めた場合
(ソフトの最善手以外の分かりやすい手を指した場合)


2021-08-18 (3)

このようにしっかり勝負にはなります。


今回は、高美濃囲いに対する端攻めを見ていきましたが、これは銀冠や穴熊についても予習しておくべきだと思いましたね。
有力そうな戦法に見えるので、ガンガン研究していきたいです。
今回は以上です。


次回↓
カタツムリ地下鉄による端攻め手順 その2【カタツムリ囲い研究part4】


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