嬉野流振り飛車

皆さん、嬉野流という戦法を知っているでしょうか?
恐らく皆さん知っているでしょう。

初手▲7八銀から始まる悪夢のような戦法です。2021-07-03 (5)
この特有の初手から中央に銀を上がっていき、7九に引いた角と合わせて斜め棒銀を狙っていきます。

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この斜め棒銀が非常に受けにくく、超強力、更に仕掛けるまでのスピードも高速です。
これらの強み、そして独特な指し方がこの嬉野流を人気の戦法にのし上げ、奇襲戦法の王様的な存在となっています。

更にこの戦法、振り飛車にも応用可能なのです。
角を引いて銀を5七に上がってしまえば、飛車を左辺に回すことが可能です。

例えば、嬉野流向飛車や嬉野流中飛車などはかなり有名な戦法になっています。

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↑嬉野流向飛車
↓嬉野流中飛車
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それぞれ、引き角、角道が空いていない、銀の進出が早いというような特徴を活かしたユニークな振り飛車が出来上がります。

嬉野流振り飛車は、居飛車である普通の嬉野流とは異なり、美濃囲いに組むことができるため、安定した戦いにしやすいという利点があります。
オーソドックスな強さとマイナー戦法特有の変わった攻め筋やリズム、これらを両立する面白い戦法と言えるでしょう。


さて、ここまでが嬉野流についてなのですが、ようやくメインの内容が始まります。
嬉野流ユーザーも多く、嬉野流は強い、というイメージはかなり刷り込まれているものなのではないでしょうか。
嬉野流は強い、嬉野流は振り飛車にしても強い。

先ほどの例にしても、嬉野流向飛車、嬉野流中飛車は強いと言えます。

あれ?じゃあ嬉野流四間飛車や嬉野流三間飛車も強いんじゃないの?

さあ、手始めに嬉野流四間飛車、研究していくか、という訳です。

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こちら、嬉野流四間飛車の図になります。
これから玉を右辺に移動して美濃囲いに組んでいくことになりますね。

しかし、見た感じが弱そうで仕方がありません。
やはり指されていないだけの戦法なだけあって、既に欠陥があるように見えます。

飛車が角の利きを遮っていますし、速い攻めや堅い守りが実現しそうにないですね。
しかし、研究をして強みを見つけて、なるべく何に強くて何に弱いなど、戦法を理解するための情報を明らかにいきます。

というわけで、嬉野流四間飛車、研究していきます。
次回から是非読んでください。

次回↓
速攻に対応できない欠陥戦法
【嬉野流四間飛車研究part2】